テクノロジー

撥水性ポリカーボネート(PC)樹脂「パンライト®」

帝人の撥水性ポリカーボネート樹脂はポリカーボネート本来の透明性を保ちながら、長期にわたって撥水性・防汚性を保持することが可能です。

概要

撥水性材料は、その性質が材料自体に内在しているため、環境に優しい選択肢として注目されています。
これらの材料は、追加の処理を必要とせず、長期にわたってその特性を維持することができます。一方で、コーティングや表面加工による撥水性の付与は、時間の経過と共にその効果が低下し、定期的な再処理が必要になることがあります。これは、環境への影響だけでなく、維持コストの面でも撥水性材料の利点を際立たせます。これらの特性は、特に屋外建築材料、自動車の内外装など、厳しい環境にさらされる用途において、その価値を発揮します。また通信分野においても、撥水性は通信機器の保護に不可欠であり、雨水による電波減衰や腐食を防ぐことで、信頼性の高い通信を維持するために撥水性材料が求められるようになっています。

特長

パンライト® W-0212(開発品)は、帝人が開発した撥水性ポリカーボネート樹脂であり、以下の特徴を有しています。

  • 一般のポリカーボネートの透明性を保ちながら、優れた撥水性能を実現しています。
  • 表面加工を施した撥水材料と比較して、長期間にわたって安定した滑落角を示すため、撥水性・防汚性を保持することが可能です。
    • 滑落角*評価

      水平なサンプルの表面上に液滴を滴下し、サンプルを徐々に傾けると液滴は、ある程度の角度で滑り出します。
      このときの滑り出した時のサンプルの傾斜角度を滑落角と言い、この角度が小さいほど、液滴はその表面に対して付着しにくいとされます。

図表に記載された数値は代表値であり、保証値ではありません。

耐候性試験
スーパーキセノンウェザーメーター SX75 スガ試験機(株)製
・運転条件:照度 180W/m2、63℃50%RH、雨あり ・時間:354hr (270日相当)

評価
動的滑落法 ・試験液:水 ・条件:23℃/50%RH

想定用途

自動車用途
セキュリティ関連用途
通信用途