製品情報
ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂
「テオネックス®」
概要・特長
ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂は、1995年米国Amoco Chemicals社が、PENの原料であるナフタレンジカルボン酸(NDC)の商業生産を始めたのを契機に、種々の分野で使用され始めました。当社はこれに先立つ31年前の1964年にPENの研究開発を開始し、「テオネックス®」として商業化し、工業用部品、食品包装、医薬品包装等の機能部材として、着実にその用途を広げております。
「テオネックス®」は、酸性分のNDCとグリコール成分のエチレングリコールとの重縮合物である結晶性熱可塑性ポリエステルであり、代表的ポリエステルであるポリエチレンテレフタレート(PET)と類似の製法にて生産されていますが、その性能はPET対比ワンランク上位に位置付けられます。
「テオネックス®」は結晶性樹脂ですが、結晶化速度が遅く、容易に透明成形品が得られます。
「テオネックス®」は透明成形品として利用される代表的な樹脂であるポリカーボネート(PC)樹脂に対し、耐薬品性に優れ、かつ傷つきにくい高品位な製品の提供を可能にします。
特長
- 1.透明性を有します
- 2.PET対比+50℃の耐熱性を有します
- 3.PETより耐加水分解性に優れ、長寿命です
- 4.PETやPCより耐薬品性に優れます
- 5.アウトガスや有機物の吸着は低レベルであり、汚染の懸念を軽減します
- 6.紫外線(~383nm)を吸収し、内容物を保護します
応用分野例
- リターナブルボトル
- 化粧品容器
- 食器
- 医薬品容器
- PETの性能改良ブレンド材料(水蒸気バリア、ガスバリア、耐熱性、紫外線吸収等)
- 透明、耐熱、耐薬品性を要求する部品
グレード一覧
「テオネックス®」の物性
特性 | 単位 | 測定方法 | 測定条件 | テオネックス® | PET | パンライト® | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
TN8050SC | TN8065S | L-1250Y | |||||
MVR | cm3/10min | ISO 1133 | 300℃、1.2kgf | 18 | 5 | - | 8 |
密度 | kg/m3 | ISO 1183 | - | 1,330 | 1,330 | 1,330 | 1,200 |
引張弾性率 | MPa | ISO 527-1 and ISO 527-2 |
1mm/min | 2,200 | 2,200 | 2,300 | 2,400 |
引張降伏応力 | MPa | 50mm/min | 80 | 80 | 58 | 61 | |
引張降伏ひずみ | % | 50mm/min | 7 | 7 | 4 | 6 | |
引張破壊応力 | MPa | 50mm/min | 38 | 40 | 28 | 75 | |
引張破壊ひずみ | % | 50mm/min | 15 | 50 | >200 | >50 | |
曲げ弾性率 | MPa | ISO 178 | 2mm/min | 2,250 | 2,200 | 2,500 | 2,300 |
曲げ強さ | MPa | 2mm/min | 99 | 98 | 81 | 91 | |
シャルピー衝撃強度 | kJ/m2 | ISO 179 | ノッチ無 | 98 | NB | NB | NB |
ノッチ付 | 2.0 | 2.8 | 3.5 | 76 | |||
荷重わたみ温度 | ℃ | ISO 75-1 and ISO 75-2 |
1.80MPa | 91 | 92 | 65 | 129 |
0.45MPa | 105 | 107 | 68 | 142 | |||
ロックウェル硬度 | - | ASTM D 785 | M スケール | 107 | 107 | 80 | 67 |
- 日本
- 食品衛生法各種告示に適合、ポリオレフィン等衛生協議会ポジティブリスト適合
- EU
- 欧州委員会規則(EU)No.10/2011適合