課題解決事例

無塗装で意匠性が高く、 環境に優しい、耐久性も備えた筐体にしたい

異物をデザインにPCRプラスチックを添加したポリカーボネート樹脂が課題を一掃!


Acer社 プロダクト開発 ※本記事は当社製品を使用した実例に基づくストーリーです

エコでリサイクル可能な環境対応製品へのニーズがより一層高まりをみせている。 大手パソコンメーカ一のAcer社は 「Earthion」 をうたい、 カーボンフットプリントの低減に取り組んでおり、 早期から環境に優しい製品の開発に取り組んでいたが、同時に課題も抱えていた。

課題

環境への配慮を高めたために起きてしまった、 意匠性と耐久性の課題・・・

Acer社では、2019年より既存のノートブックパソコン筐体にPCR(Post-Consumer Recycled)プラスチックを採用し、環境配慮型ノートブックをリリースしました。 PCRプラスチックは、家庭や商業施設から廃棄されたプラスチック製品を再生資源化することで製造されています。環境負荷低減に貢献するため、これらを活用した製品をリリースする企業は年々増加していました。


Acer社でもPCRプラスチックを積極的に活用しており、製品のアップデートが進むにつれて、含有比率も順調に増え、高い評価を得ていたのです。 更に、2019年には、 VOC(揮発性有機化合物)排出量削減に貢献するため、パソコン筐体を無塗装化する製品アップデートも考えていました。


一方で、プロダクト開発の担当者は、ある課題にぶつかっていました。
「PCRプラスチックは、回収された廃プラスチックを使用しているため、色が付いているスクラップ 異物も含まれています。そのため、無塗装でプラスチック表面をそのままにすると、色や異物が目立ってしまい、意匠性を持たせるのがとても難しいですね」


また、PCRプラスチックの含有比率を上げると、 衝撃強度が下がる場合があります。それでは耐久面に問題が出てしまうため、新製品としてリリースすることはできません。 PCRプラスチックを使用していない製品に劣らないレベルの耐久性が必要でした。


開発担当者は、これらの課題の解決策を早急に検討することにしました。

課題のポイント
  • PCRプラスチックを使用すると色や異物が目立ってしまい、 無塗装では意匠性を持たせるのが難しい
  • PCRプラスチックの含有比率を上げると衝撃強度(耐久性)が落ちてしまう