テクノロジー
UV-A透過 耐候性ポリカーボネート(PC)樹脂 「パンライト®」 (開発品)
帝人が開発したUV-A透過耐候性ポリカーボネートは、330nm以上の波長を透過しつつ、優れた耐候性を実現した革新的な素材です。加工のしやすさと高い耐衝撃性を兼ね備え、医療機器や産業用フィルターなど多岐にわたる用途に適しています。
概要
- UV-Aについて
UV-A(紫外線A波)とは、波長が約320~400nmの紫外線です。紫外線にはUV-A、UV-B、UV-Cの3種類があり、その中でUV-Aは波長が最も長く、 地表に届く紫外線の約90%を占めています。UV-Aはさまざまな分野で活用されています。
- 非破壊検査:UV-Aを利用したブラックライトは、蛍光浸透探傷や蛍光磁粉探傷検査などの非破壊検査に使用されます。これにより、金属のひび割れや欠陥を検出することができます。
- UV硬化技術:UV-Aを利用して、特殊な樹脂材料を硬化させる技術です。ネイルアートや歯科材料の硬化、半導体製造工程でのフォトレジストの硬化などに使用されています。
- 医療分野:UV-Aは皮膚治療にも利用されます。例えば、乾癬やアトピー性皮膚炎の治療に用いられることがあります。
- 殺菌・消毒:UV-AはUV-Cほど強力ではありませんが、特定の条件下で殺菌や消毒に利用されることもあります。
- 誘虫灯:UV-Aは昆虫を引き寄せる効果があり、そのためUV-Aランプは誘虫灯や捕虫器に広く利用されています。




帝人のUV-A透過 耐候性ポリカーボネート(開発品)について

ポリカーボネートはUV-Aを透過する材料として知られていますが、従来の耐候性ポリカーボネートはUV-Aの透過性を持ちませんでした。
帝人が開発したUV-A透過耐候性ポリカーボネート(開発品)は、330nm以上の波長を透過しながらも優れた耐候性を兼ね備えた革新的な材料です。
UV-Aを透過する材料としては、石英やPMMA(ポリメチルメタクリレート)が一般的に使用されていますが、新たに開発されたポリカーボネートは、その加工の容易さや高い耐衝撃性を活かし、医療機器、誘虫灯カバー、産業用フィルターなど、幅広い用途での展開が期待されます。