課題解決事例

相反する機能課題を解決し、車体軽量化に貢献できる樹脂材料の全容とは?

環状構造のカルボジイミド化合物(カルボジスタ®)で、耐衝撃性、耐熱性を持つ樹脂材料を実現!


樹脂メーカーJ社 研究開発部

解決

解決のポイント
  • カルボジスタ®は従来のカルボジイミド化合物と同様に使用可能で、 相溶性向上、 耐熱性向上、 増粘などの様々な効果がある
  • カルボジスタ®はイソシアネートガスの発生がなく、 健康被害リスクも低減

トレードオフとなる物性を低下させることなく適用可能! 耐衝撃性や耐熱性を維持した機能性樹脂材料を実現

解決策を探していたB氏は、 普段取引のある仕入れ業者に相談してみると、帝人の添加剤(カルボジスタ®)を紹介されました。 早速帝人の担当者にコンタクトをとり、説明を受けたところ、以下の特長があることがわかりました。


カルボジスタ®は、カルボジイミド結合を含む環状構造の化合物です。 従来のカルボジイミド化合物と同様に、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタンやポリ乳酸、液晶ポリマーなどに対し加水分解抑制効果があり、反応性も高いため少量で長期間有効です。また、樹脂相溶性の向上効果があり、使用する樹脂や用途によって、耐熱性向上や増粘といった効果も発揮。 トレードオフとなる物性を低下させることなく適用が可能です。


更にカルボジスタ®は、製造現場の健康被害リスク低減にも対応しています。従来のカルボジイミド化合物は、 樹脂に添加し溶融混練を行ったり、 その樹脂を再溶融して加工したりする際、有害なイソシアネートガスが発生していたため、使用の際には、排気設備等の作業環境への対策が必要でした。ところが、カルボジスタ®の場合、 環状分子の骨格中にカルボジイミドを導入することで、樹脂との反応時に生成するイソシアネートが樹脂中に固定化されます。つまり、 イソシアネートガスが発生するのを防ぐことができ、作業環境の制約を受けることなく、 安全に使用できることが分かりました。


研究開発部は早速サンプルを入手し、 候補となる原料の組み合わせに添加剤として利用することで試作に取り掛りました。 その結果、 樹脂相溶性の向上が見られ、問題なく相溶化に至ります。 物性への影響も非常に少ない状態でした。 成型性に優れ、 耐衝撃性や耐熱性も向上できました。 今後更なる軽量化に貢献できる機能性樹脂材料としても十分な性能を有しています。 J社ではこの結果を受け、 新製品として近くリリースすることを決定しました。

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