課題解決事例

過酷な外部環境下でも優れた耐久性を兼ね備えたドローンの開発が軌道に!

低吸湿性、耐環境性に優れた炭素繊維強化樹脂でプロ仕様ドローンを実現


産業機器メーカーU社 研究開発部 ※本記事は当社製品を使用した課題解決のイメージストーリーです

人間にとって危険な高所、 暴露環境においてドローンを利用することは当たり前になっており、アメリカでは海水浴客を鮫の被害から守るために利用されるなど、 ドローンの利用用途は以前よりも大きく拡大している。

課題

海洋、山岳、砂漠の過酷な環境での調査に対応できるドローンを開発したいが・・・

ドローン活用シーンの拡大に伴い、 産業用ドローンの開発製造を行うU社には、ユーザーや販売を委託しているパートナーから、日々様々な相談が舞い込んでいました。 近年では、 海洋における観測調査の他、 山岳や砂漠地帯での遭難者捜索など、通常の環境よりも過酷な外部環境での利用を想定したドローンについての相談が増えていたのです。


研究開発部のO氏は、こう振り返ります。
「海や山、砂漠における調査作業でドローンを活用できれば、危険を減らせるだけでなく、 効率よく広範囲の調査を行うことができるようになります。 しかし、このような用途において、 弊社のラインナップでは対応することができませんでした」


上空からの映像撮影や工場点検などの現行の利用想定とは一線を画す製品開発が必要となりますが、 U社では新規製品の開発に挑戦することを決定。研究開発部では、 強い海風に対する耐湿性や悪天候に対する耐候性など、過酷な環境に対応するドローンの要件定義を始めました。


「海洋では湿度の高い塩分を含んだ強い海風にさらされ、山岳や砂漠地帯では強い紫外線や高温の中、 砂を含んだ風が当たり続けることも考えられます。 そのような過酷な環境で使用するドローンには、耐湿性や耐候性に優れ、 軽量で高く、かつ耐久性を持つ素材が必要でした」(O氏)


現在のドローン機体に使用しているポリアミド (PA+CF) は、 軽量で耐衝撃性に優れており、 幅広い工業製品に利用されています。 しかし、吸湿性が高く、吸湿により寸法変化や物性変化を生じる場合がありました。 これでは環境対応のドローン本体に要求される機能性を担保することができません。 課題解決のためには、 様々な物性に対応できる材料から検討する必要がありました


課題のポイント
  • 現在の機体に使用している樹脂ポリアミド (PA+CF) は吸湿性が高く、 吸湿により寸法や物性が変化してしまう
  • 耐湿性や耐候性に優れ、軽量で高い耐久性を持つ素材が必要だった