樹脂加工品

ポリカーボネート樹脂「パンライト®」シート・フィルム

概要・特長

耐熱性・耐衝撃性・高透過率などの優れた特徴を有するポリカーボネート樹脂「パンライト®」シート・フィルムは、自動車部品・電気電子部品・印刷銘板などに使用されています。

特長

ニーズに応じた商品群

「パンライト®」シートは薄物フィルムから厚物シートまで、各種の厚みを用意。ハードコートや、鉛筆硬度向上(複層)シートなど、ニーズに応じた商品群を取り揃えています。

主なグレード構成

グレード PC-1151
PC-2151*1
PC-710A
PC-813A*2
PC-D101 PC-HA51 PC-JA53
構成
鉛筆硬度
(750g荷重)
2B HB/2B 2H/2B 4H/HB 2H/HB
特長

標準グレード
加工性良好

  1. *1PC-2151はフィルム(薄物)

両面ハードコート
耐摩耗性

  1. *2PC-813Aは片面ハードコート
高硬度
複層・加工性良好
高硬度4H
複層・両面ハードコート
高硬度
複層・片面ハードコート

グレード一覧

標準グレード

グレード 仕様 厚み(mm)
0.125 0.18 0.2 0.25 0.3 0.4 0.5 0.7 0.8 1 1.2 1.5 2
PC-2151 クリア ロール
シート
PC-1151
  • *2mm以上の厚みについてはご相談ください。

標準グレード物性表

特性 単位 測定方法 測定条件 代表値
全光線透過率 ISO 13468-1 厚さ0.3mm 90
屈折率 - ASTM D542 - 1.585
密度 kg/m3 ISO 1183 - 1,200
荷重たわみ温度 ISO 75-1
and
ISO 75-2
1.80MPa 129
0.45MPa 142
連続耐熱温度 - - 120
熱伝導率 w/mK レーザーフラッシュ法 - 0.2
比熱 cal/℃・g(RT) - - 0.3
引張弾性率 MPa ISO 527-1
and
ISO 527-2
1mm/min 2,400
引張降伏応力 MPa 50mm/min 61
引張降伏ひずみ 50mm/min 6
引張破壊呼びひずみ 50mm/min >50
吸収率 ISO 62 23℃水中24h 0.2
曲げ弾性率 MPa ISO 178 2mm/min 2,300
曲げ強度 MPa 2mm/min 91
シャルピー衝撃強度 kJ/m2 ISO 179 ノッチ付 76
ビカット軟化温度 ISO 306 50℃/h 50N 149
線膨張係数 ×10-4/℃ ISO 11359-2 - 0.7
非誘電率 IEC 60250 100Hz 3.1
1MHz 3
誘電正接 100Hz 10
1MHz 90
体積抵抗率 Ω・m IEC 60093 - >1×1013
表面抵抗率 Ω - >1×1015
耐電圧 MV/m IEC 60243-1 短時間法 30
耐トラッキング性 - IEC 60112 - 250
サンシャイン耐候性試験 全光線透過率 PC-1151 1.0mm
サンシャイン耐候性試験 全光線透過率 PC-1151 1.0mm

技術情報

加工法

機械加工
  • 切断加工

    切断は電動丸鋸切断では板厚が厚くなると、摩擦熱により切断面に気泡が生じやすくなるため、切断速度を落としたり、場合によっては冷却操作を行う必要があります。3mm以下の薄物はシャーリング、また、1mm以下の極薄ものではケガキ、ハサミなどによる切断が可能です。切断工具と板厚の関係は下表を参考にしてください。

工具 ハサミ 手押切 シャーリング ジグソー ケガキ
板厚(mm) 1以下
2 ×
3 × ×
4以上 × ×

○切れる  △無理すれば切れるが仕上がりが悪い  ×切れない

  • 施盤(NC)加工

    標準鋼切削用バイトを使用して加工できます。必要とする表面状態、発熱の状態をチェックして回転数を加減してください。
    注意:加工時には破片が飛び散る場合があるため、保護具等を着用してください。

熱曲げ成形
  • 成形方法

    真空成形、高圧成形、プレス成形が可能です。
    加熱時間、温度により流れ方向が収縮します。あらかじめ収縮性を確認の上、設計してください。
    *収縮特性は、グレードや厚みにより違いますので注意ください。
    一般型温度は90℃~110℃が望ましく、抜き勾配は3%以上が必要です。

  • 予備乾燥(アニール)処理

    シートを加熱する際、シートが吸湿していると、180℃以上で発泡現象を起こすケースがあります。
    その場合予備乾燥が必要となります。予備乾燥条件は、温度120℃~125℃で、時間は次表の通りです。

板厚 時間
1mm 2時間以上
2mm 4時間以上
3mm 7時間以上
4mm 10時間以上
5mm 13時間以上
6mm 15時間以上

乾燥された「パンライト®」シートを空気中に放置すると、1時間ほどで再び吸湿し成形時に発砲する恐れがあるため、乾燥器から取り出したらすぐに成形してください。

塗装/印刷

各社推奨品を販売していますが、ポリカーボネートは製品の屋内仕様、屋外仕様、成形の有無等用途によりクラックの発生率等不具合が高くなりますので、印刷時の溶剤希釈、乾燥方法の選択等インキメーカーと相談し、充分な試験を行ってから生産してください。
また、印刷環境で湿度の高低が顔料によって印刷ムラの原因になることがあり十分注意が必要です。

インキメーカー タイプ 主な推奨インキ
株式会社セイコーアドバンス 溶剤型 LOV
PAC
SG240
SG75
UV硬化 UVA
HUG
帝国インキ製造株式会社 溶剤型 VG
ISX
VAR
HAS
13
UV硬化 FIL383
SPA
十条ケミカル株式会社 溶剤型 PC 8000
SNAP 8100
UV硬化 4100 GA
4200 PF
6100 SL
東洋インキ製造株式会社 溶剤型 SS2500
SS8000
SS8300
UV硬化 TU240FDS

接着性

「パンライト®」シートは、接着剤、溶剤、超音波等による接着ができます。

  • 接着剤および溶剤による接着

    前処理として接着面のヨゴレを中性洗剤、アルコール類で洗浄し、サンドペーパー等で粗面化して接着してください。
    代表的な接着剤および溶剤による相互接着例を示します。
    接着剤のほとんどは限界応力値が低いので、残留歪みが大きい場合にはアニーリングを行った後接着してください。

種類 接着剤名 会社名 引張せん断強度
MPa
限界応力
23℃×24h
MPa
備考
エポキシ系 セメダイン1500 セメダイン株式会社 4.4 61.8以上 硬化剤:ポリアミド
ポットライフ:60分(20℃)
ボンドEセットM コニシ株式会社 3.4 61.8以上 硬化剤:変性ポリアミド
ポットライフ:60分(20℃)
ボンドクイックセット コニシ株式会社 2.0 61.8以上 硬化剤:変性ポリアミド
ポットライフ:4分(20℃)
ウレタン系 ボンドKU-661/KU-662 コニシ株式会社 3.9 21.6 KU-661:ポリエステルポリオール
KU-662:ポリイソシアネート
α-シアノアクリレート系
(瞬間接着剤)
アロンアルファ #201 東亞合成株式会社 10.8 6.9 粘度:2~6(CPS)
スリーボンド1770 株式会社スリーボンド 9.8 6.9 粘度:2~5(CPS)
セメダイン3000 セメダイン株式会社 8.3 6.9 粘度:2~5(CPS)
ロックタイト495 日本ロックタイト株式会社 10.8 6.9 粘度:40(CPS)
溶剤系 ボンド VP-2000 コニシ株式会社 10.3 7.8 主成分:アクリル系、
溶剤:MEK
溶剤 塩化メチレン - 10.8 -

耐薬品性