ブルーライトから人々の目を守りたい!
市場要望の高い、透明感のあるポリカーボネート樹脂製眼鏡レンズの発現に応えたい
眼鏡レンズメーカー X社 製品開発部
解決
解決のポイント
- 帝人の幅広い技術知見の活用
- レンズ光学設計に柔軟に対応可能な光線透過率が異なる3グレードをラインアップ

透明でブルーライトをカットできる眼鏡レンズの実現!

そんな折、X社の製品開発部のメンバーは高付加価値レンズ開発のため、光学用樹脂分野でリーディングカンパニーである帝人に問い合わせを行い、帝人の新開発グレードの情報を入手し、詳細を聞きました。
帝人では、光学分野における樹脂製造技術や機能性付与に関して数多くの知見を保有していました。特に紫外線対策グレードを開発した知見を活用し、本材料開発において、ポリカーボネート樹脂の本来の特徴を維持したまま「ポリカーボネート樹脂へのブルーライトカット機能を付与」するという難題に取り組んでいました。従来にとらわれない手法や数多くの検討と試作試験を繰り返し、その結果、機械物性などの特性は従来の眼鏡レンズと同等品質で、ブルーライトを効率的にカットする透明感のある眼鏡レンズ材料開発の成功に至ったのです。
このブルーライトカットレンズグレードのポリカーボネート樹脂は、眼鏡レンズメーカーにとって4つの優れた特長がありました。
・ブルーライトの中でも特に眼に著しく悪影響をあたえるとされている400~420nmの高エネルギー可視光線(HEV)の透過率を大幅にカットする性能が付与された。
・ブルーライトカット機能を付与したにもかかわらず、成形した眼鏡レンズの強度の低下や着色などはなく、透明なレンズが実現できた。
・眼鏡レンズにおいて、重要なポイントの1つであるレンズの光学設計に対して選択の自由度を持たせるため、ブルーライトの波長領域で光線透過率が異なる3グレードをラインアップ。
・コーティングプロセスの大きな変更が不要となり、追加のプロセスも不要なため、製造効率の向上にも期待できる。
このような特長を持つ帝人のポリカーボネート樹脂は、X社が検討していた高付加価値商品のひとつであるブルーライトカット眼鏡レンズを実現させる材料として予想以上の特性をもった材料でした。
X社は帝人の協力で、ブルーライトカット眼鏡レンズの試作に成功。現在、X社では製品化に向けた最終段階を迎えており、試作品はX社でさまざまな性能試験や強度・耐久試験に掛けられ、これらを全てクリアしつつあります。