課題解決事例
ブルーライトから人々の目を守りたい!
市場要望の高い、透明感のあるポリカーボネート樹脂製眼鏡レンズの発現に応えたい
眼鏡レンズメーカー X社 製品開発部

眼鏡レンズの企画・開発・製造を手掛けるX社。近年、眼鏡レンズによる眼の健康対策が話題となっている。紫外線対策の眼鏡レンズが既に上市しているものの、近年パソコンや携帯電話の長時間使用など生活環境が変化しているため、可視光線の中でも特に眼に悪影響を与えるとされる高エネルギー可視光線(ブルーライト)をカットするさらに眼に優しい眼鏡レンズの実現が望まれていた。
課題
眼鏡レンズ材料として軽量化並びに強度面からポリカーボネート樹脂が広く使用されているが、課題もあり…
ポリカーボネート樹脂製の眼鏡レンズでブルーライトカットの特性を得る方法としては、大きく2つのアプローチがありました。一方はレンズ表面にブルーライトをカットする機能を持った膜をコーティングする方法、他方は樹脂そのものにブルーライトをカットする性質を持たせる方法です。しかしながら、これら2つのアプローチにはそれぞれ難解な課題がありました。
まず、コーティング方法ではレンズの着色が懸念され、さらにコートを単層から複数層へ変更対応しなければならないケースがあり、この複層化は製造工程の複雑さや製造時間に影響を与えます。さらに正確な波長の抑制技術が求められ、新たな設備化対応が必要な場合があります。
他方のブルーライトをカットする性質をポリカーボネート樹脂に持たせる方法では、従来の技術に加え、新たな波長制御技術が求められるため実際に実現ができるのか不明でした。
このように、ユーザーからは自然な透明感で、かつブルーライトを効果的にカットできる眼鏡レンズ用樹脂の登場が待たれていました。
課題のポイント
- 透明でブルーライトをカットできる眼鏡レンズを実現したい
- 眼鏡レンズ製造プロセスの自由度と生産性を向上したい(複雑化を防止したい)
